東名遺跡


東名縄文館

 場所 佐賀市金立町大字千布 巨勢川調整池内

 開館時間 10:00~16:00

 休館日 月曜日(月曜日が休日の場合は火曜日)

 電話 090-8760-5386

 開設日:2009年8月25日   来館者数:来館者推移ページを参照願います 


東名遺跡:

 

●年代・特長

 8000年前の日本最古の湿地性貝塚遺跡です。特徴は、①湿地遺跡(植物が残り易い) ②貝塚遺跡(動物の骨などが残り易い) ③5mの粘土でパック(縄文海進による) の条件が揃い、8000年前の貴重な遺物が多数腐らずに発掘されたことです。発掘物には 植物性製品 動物性製品 土器 石器 などがあり、総数は約20万点に上ります。

 

●重要性

 この遺跡の重要性は次のとおりです。

一、複合遺跡 ①生活の場・②墓地・③貝塚(ゴミ捨て場)・④貯蔵穴(保存場所)がセットで発掘されたので、定住が認められ、縄文時代の生活の様子が分かりかけたこと。

二、編みかごをはじめとした日本最古(世界最古)の植物性の製品がきわめて良好な形のまま、多数出てきたこと。

三、編みかごの編み方や、鹿角製のペンダントなど、非常に美しいものが多数出てきており、当時の人々の技術や美的感覚が高い水準にあったこと。

 

●最大の宝

 植物性では 日本最古(現物としては世界最古)の編みかご731点(発掘された縄文時代の編みかごの60%以上) 木製皿 弓 ショベルなどの他 人面と思われる板(宗教に使われた?) などが発掘されています。 特に編みかごは 縄文時代の他の遺跡から発掘された編みかごの編み方の全てが揃っており、8000年前に編みかごの編み方は完成されていたことが分かりました。 とりわけ 六つ目編みかごは今までは弥生時代以降にしか見つかっておらず、弥生時代に大陸から技術が伝わったと思われていましたが、8000年前に現物があったので、一挙に6000年、時代がさかのぼりました。

 

●世界最古?

 8000年前で編みかご731点をはじめとした多くの植物性の製品が、そのままの形で残されていた遺跡は、今までに無く、世界最古の植物性製品遺跡群と思われます。

 

●遺跡は佐賀県佐賀市金立町大字千布 地先(巨勢川調整池)にあり、同場所の東名縄文館で発掘物が展示されています。

 

●発掘のきっかけは、佐賀導水の巨勢川調整池を掘った時で、5m下で偶然貝塚が発見されました。

 

 


8000年前の東名遺跡での

縄文人の生活の想像図です。

 

イラストレーターの早川和子さんに書いていただきました。

 

東名遺跡は、貝塚・貯蔵穴・居住地・墓地がセットで見つかった、貴重な複合遺跡で、それにより想像図まで書けるようになりました。

 

左側は貝塚と貯蔵穴、右側は居住地とお墓です。

貝塚には貝などの食べ物などが捨てられています。

貯蔵穴では、どんぐりを入れた編みかごが、置かれています。

居住地では、貝や魚などが蒸し焼きなどで料理されています。

右下の盛り土はお墓です。


鹿の角で作ったペンダント
(又は腰飾り?)

 

この飾り物は、東名遺跡で作成されました。その証拠として、角がとれたところから、製品になるまでの過程の遺物が貝塚にそろって残っていました。

 

また、これに付けられた模様は、精密で非常にきれいです。ジンポジュームでは、この模様は、先祖代々から受け継がれる家紋のような意味があったのではないかとも言われています。


手首に飾る貝輪

 

いろいろな貝を素材にしていますが、ベンケイ貝は有明海にはなく、外海でとれる貝で唐津または糸島の貝と思われます。

 

 

貝玉

 

左上の貝はハナマルユキという宝貝です。

 

オオツタノハと同じく鹿児島より南の海でとれる貝です。

 

オオツタノハの貝輪

 

これは日本列島最古のオオツタノハ性の貝輪です。

 

オオツタノハは鹿児島の奄美群島より南の海でとれる貝でどうして東名遺跡まで来たのか不思議です。



剥ぎ取り貝塚

展示している貝塚の現物です

第2貝塚から剥ぎ取りました。

国内最古の編みかご

手前が発掘された現物で、その先にある編みかごが復元されたものです。

東名遺跡の犬の骨です。DNA鑑定の結果、柴犬・秋田犬など日本犬のDNAと一致し、最古の日本犬であることが分かりました。

犬の多くは猟犬として使われ、人間の最初のペットとなりました。